
この記事では、2025年2月に大同生命が実施した中小企業の「経営相談の実態」調査をもとに、独自の視点で読み解きます。
【調査主体・期間・対象】
・実施:大同生命サーベイ
・期間:2025/2/3–2/28
・対象:全国経営者6,341社(約半数は同社契約先)
・方法:訪問またはZoom面談
中小企業の経営相談、誰にすればいい?
経営者は、往々にして孤独です。
事業のこと、社員のこと、後継者のこと、そして資金のこと──。
日々頭を悩ませるテーマは尽きません。だからといって、それを誰かに相談できている経営者は、決して多くありません。
とはいえ、悩みを一人で抱え込み続けることは、経営判断の遅れや見落としにもつながりかねません。
だからこそ今、信頼できる“相談先”の存在が重要になっています。
そこで、2025年3月に大同生命が行った調査結果をもとに、中小企業が外部支援機関をどのように活用しているのか、具体的に見ていきます。
外部支援機関からの経営支援の活用状況と具体的内容


規模が大きい会社ほど、外部支援機関を活用している傾向があります。これは、資金的に余裕があることが一つの要因と考えられます。外部人材活用のポイントとして、自社に足りないスキル・経験を補う視点が重要です。
外部支援機関に依頼しにくい経営支援は?

依頼しにくい理由として、以下の点があげられます。
- 暗黙知が多い:社長の頭の中に情報が偏在。文章化が難しい。
- 機微性が高い:家族・幹部・株主の利害が交差。政治性が強い。
- 横断テーマ:税務・法務・財務・組織を一体で扱う必要。
- 成果が見えにくい:短期の数値化が難しく、費用対効果が不明瞭。
- 相談先が不明:誰に頼めばよいか分からない。専門家も希少。
そもそもですが、経営計画・事業戦略を策定している中小企業は少ないと思います。また、策定する必要性について理解していない経営者も多い印象です。さらに、事業承継については、何から手をつけてよいかわからないケースが多く見られます。
今後、外部支援機関から受けたい経営支援テーマは?

規模が大きくなるにつれて、「人の問題」「ITによる業務効率化」の支援を受けたい割合が増加しています。
実際に経営相談している相談先は?


「税理士・公認会計士」が多いのは、日頃から自社の財務情報を開示している相手だからです。
資金繰り・税負担など、お金の悩みを話しやすいのも大きい要因です。
それでも「経営相談に乗ってくれない」理由は以下の点があげられます。
- 守備範囲の違い:税務申告・決算対応が中心。経営の壁打ちは契約外になりがち。
- 時間と報酬設計:定額顧問では深い経営議論まで時間が割けない。
- 利益相反の懸念:融資や保険、紹介案件で中立性が揺れる場合がある。
- スキルセット :税務は強いが、事業戦略・組織・PMIは別領域。
外部支援機関に期待するサポート範囲は?

「課題の特定」とは、そもそも何が問題なのかが明確でないために、相談に至っているケースを指します。
つまり、経営者自身が課題を言語化できていないと考えられます。
新規で外部支援機関にサポートを依頼する際の課題は?


多くの中小企業は、「課題解決策の調査・提案」や「側面支援」「伴走支援」といった専門的なサポートに期待を寄せています。
しかし一方で、「経営支援が有益かどうか判断できない」「経営支援を実現するためのコスト・時間がとれない」「どこにそうだんすればよいかわからない」といった理由から、依頼をためらっているケースも少なくありません。
まずは、公的機関が提供する無料相談を活用するのも有効な選択肢です。
無料相談では、「何から手を付ければよいか分からない」といった初期段階の不安や、制度の概要説明などに対応しています。
また、実際に相談してみることで、専門家との相性や得意分野を見極める手がかりにもなります。
しかし、課題の解決や伴走型の支援には、無料相談だけでは限界があるのが実情です。
というのも、士業制度は各省庁の縦割り構造のもとに成り立っていますが、経営に関する課題は財務・人事・税務・承継といった領域をまたぐ「横断的な性質」を持っています。
したがって、複雑な課題に対しては、断片的なアドバイスにとどまらず、継続的かつ統合的な専門支援が不可欠です。
まとめ
経営の悩みを、ひとりで抱えないでください。この調査からも分かるように、相談相手の“質と距離”が経営に大きな影響を与える時代になっています。
当事務所は、公認会計士・税理士・中小企業診断士が直接対応する、中小企業専門の経営支援パートナーです。「まだ具体的に動く段階ではないが、少し話してみたい」という段階でも大丈夫です。
初回面談は無料。お気軽にご連絡ください。
当事務所は、単なる「士業」ではなく、貴社にとって最も身近な“戦略パートナー”として、課題の整理から実行支援まで一貫して伴走します。