最終更新日:2023年4月3日

今回は、親族内承継・従業員承継の事業承継計画について、(独)中小機構の「中小企業経営者のための事業承継対策」を記入例として解説します。
【この記事を読んで得られること】
- 事業承継計画とは
- 事業承継計画には種類がある?
- 経営そのものの承継、資産承継の2つの視点が重要
事業承継計画とは
会社の将来を見据えて、現経営者から後継者に経営を円滑に引き継ぐために「いつ、誰に、何を、どのように承継するのか」について立案した具体的な計画のことです。なお、以前のブログで紹介した「事業承継に向けた5ステップ」のステップ4に該当します。
【参考】ブログ「事業承継に向けた5ステップ」
計画の種類
承継計画といっても様々なものがあります。したがって、事業計画に重点をおいたものや資産の承継に重点をおいたものなど、会社・経営者・後継者の状況に合わせて重点を置くポイントが異なってきます。例えば、以前のブログで紹介した「特例承継計画」は事業計画に力点が置かれています。
【参考】ブログ「「特例承継計画」から始める事業承継」
事業承継計画の事例
過去ブログのT社事例で解説します。なお、事業承継には「経営そのものの承継」「資産の承継」の2つの視点がありますが、下記の事例では「資産の承継」を重点的に解説しています。
【参考】ブログ「事業承継税制を事例で解説★」
策定手順
承継計画策定の手順は以下のとおりです。なお、通常の計画と異なる点は、「経営そのものの承継」「資産の承継」の2つの視点を意識して作成する点です。
- 現状の把握
- 事業承継後の理想とする姿の明確化(基本方針の策定)
- 現状と理想とのギャップの把握(問題点の把握、課題の抽出・整理)
- 課題の優先順位に応じて、対策を計画書に落とし込む
- 課題解決の対策を実行
- 定期的に見直しを行う
【参考】ブログ「事業承継対策2つの視点」
事業承継計画の記入例
下記に事業承継計画の記入例を掲載します。なお、Aが「事業承継の基本方針」、Bが「事業計画」、C・E・Gが「資産の承継」、D・Fが「経営そのものの承継」に該当します。

出典:(独)中小企業基盤整備機構「中小企業経営者のための事業承継対策(令和4年版)」
まとめ
さて、今回は事業承継計画について、ざっくりと解説しました。承継計画は、専門的な課題もあるため、経営者が単独で作成するのは困難です。したがって、専門家のサポートを受けるとよいと思います。なお、計画を作成すること自体は目的ではありません。計画策定の過程において、現経営者と後継者が対話をしながら目に見えにくい経営資源を共有していくことが重要です。

当事務所は、経済産業省より経営革新等支援機関の認定、M&A支援機関として登録しています。事業承継税制、後継者育成、M&Aでご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
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