このブログは、2022年7月5日に初公開した記事に最新情報を加味して更新したものです。

実はよく知られていない税金

税金には様々な種類がありますが、全体を把握している方は少数派だと思います。特に、サラリーマンから独立した場合、これまで給与から源泉所得税などが天引きされていたため、自身の税負担を意識する機会がほとんどありません。そのため、独立後に予想外の税額に驚くことがよくあります。

これは会社の後継者にも共通する課題です。会社員時代は税務処理を会社が代行していました。したがって、「税金を納めている」という実感が薄いものです。しかし、経営者として会社を引き継ぐと、法人税や消費税、社会保険料など、さまざまな税金の支払い義務が生じ、資金管理の重要性を痛感することになります。

税金の全体像を知るメリット

こうした状況を避けるためにも、独立や事業承継のタイミングで税金の全体像を理解し、適切な資金計画を立てることが不可欠です。また、青色申告や小規模企業共済、退職金の活用など、税負担を軽減するための制度を上手に活用することで、経営の安定につなげることができます。

独立を考えている方や後継者の方には、事前に税務知識を身につけることを強くお勧めします。税金に関する正しい理解が、スムーズな経営の第一歩となるのです。

納めるところによる分類

「どこに納めるか」によって、国税と地方税があります。

• 国税：所得税、法人税、地方法人税、特別法人事業税、復興特別所得税、消費税、など
• 地方税：住民税、事業税、不動産所得税、固定資産税、都市計画税、地方消費税、など

地方税は、さらに道府県税、市町村税に分かれます。

課税されるものによる分類

「何に対して課税されるか」によって、所得課税、消費課税と資産課税があります。

• 所得課税：所得税、法人税、住民税、事業税、など
• 消費課税：消費税、地方消費税、酒税、たばこ税、自動車税、など
• 資産課税：相続税・贈与税、登録免許税、印紙税、不動産取得税、固定資産税、など

以上をまとめると、以下の表になります。

2023年度予算を見ると、所得課税51.8%、消費課税34.8％、資産課税等13.3%の割合です。

税金の納め方による分類

また、「税金の納め方」によって、直接税、間接税があります。税を納める人と負担する人が同じ税金を「直接税」、税を納める人と負担する人が異なる税金を「間接税」といいます。インボイス導入時は、消費税の在り方について色々と議論がありました。

税金の計算主体による分類

「納税額の計算主体は誰か」による分類もあります。納税者本人が自分の責任で納税額を計算し，申告する方式を申告納税方式といい、税務官庁が税額を確定して、納税者に納付の通知を行なう方式を賦課課税方式といいます。

まとめ

税金には多くの種類があり、分かりにくいと感じる方も多いと思います。しかし、自社の顧問税理士とのミーティングでは、どの税金についての話なのかをある程度理解しておくことが重要です。例えば、インボイス制度は消費税、電子帳簿保存法は所得税や法人税に関する話です。
また、節税対策についても、「どの税金を軽減しようとしているのか」を意識せずに話を進めてしまうケースが少なくありません。税務対策を効果的に活用するためにも、まずは基本的な税金の種類を押さえておくことが大切です。
最後に、事業を行っていくなかで遭遇する税金を以下にまとめました。会社後継者の方は、とりあえずこの表を押さえておけば大丈夫です。独立開業、個人事業主から法人成りを考えている方も同様です。