
東京都の令和7年度「事業承継支援助成金」第1回の公募要領が公開されました。条件を満たせば、最大200万円の補助を受けることも可能です。
【参考】ブログ「中小企業経営者必見!活用すべき3つの公的支援制度とは?」
東京都「事業承継支援助成金」とは?
東京都中小企業振興公社が実施する「事業承継支援助成金」は、事業承継やM&Aに取り組む中小企業が、外部専門家に委託する費用の一部を補助する制度です。なお、金額として最大200万円、助成率は原則2/3(小規模企業が企業価値算定に取り組む場合は10/10)が補助されます。
【参考】東京都中小企業振興公社「令和7年度 第1回事業承継支援助成金」
対象となる企業は?
申請できるのは、以下の条件をすべて満たす東京都内の中小企業です。
- 東京都内で実質的に2年以上継続して事業を行っていること
法人の場合は登記簿謄本の提出、個人事業主の場合は開業届の写しが必要。なお、一時的な休眠や休業状態がある場合は対象外となる可能性があります。 - 「みなし大企業」でないこと
なお、次のいずれかに該当する企業は対象外となります。
- 発行済株式の過半数を大企業が保有している
- 大企業が取締役の半数以上を兼務している
- 大企業が実質的に経営をコントロールしていると判断される場合 - 主たる事業所が東京都内にあること(登記や開業届上の所在地)かつ、助成事業の実施場所も東京都内であることが原則。
- 対象期間内に、都または関係機関から事業承継に関する支援を受けていること
なお、令和6年4月〜令和7年3月末の間に、以下いずれかの支援を受けていることが必要です。
-東京都中小企業振興公社の「事業承継・再生支援事業」
- 東京商工会議所や町田商工会議所の「地域持続化支援事業」
- 東京都信用金庫協会などによる「地域金融機関による事業承継促進事業」
- 東京信用保証協会の「専門家派遣事業」
- 東京都中小企業団体中央会の「団体向け事業承継支援事業」
※なお、支援を受けていない場合でも、助成申請前に「現地診断(訪問ヒアリング)」を受けることで要件を満たすことができます。 - 今後10年以内に事業承継を予定していること
例:現時点で先代社長が代表権を持ち、将来の代表交代を計画中の企業
タイプ別の対象事業・経費
以下の4つのタイプから申請する必要があります。なお、Bタイプでは「事業承継計画書をする必要
タイプ | 対象者 | 助成対象となる主な経費 |
---|---|---|
Aタイプ(後継者未定) | M&Aを検討中の譲渡企業 | 自社株評価、セルフDD、FA・仲介契約(M&A登録支援機関に限る)など |
Bタイプ(後継者決定) | 親族内・社内承継予定企業 | 自社株評価、承継手続支援、幹部社員の育成等 |
Cタイプ(経営改善型) | 経営体制の強化を図る企業 | 幹部育成、システム導入、市場調査、販路開拓など |
Dタイプ(譲受支援) | 譲受企業(買い手側) | DD、契約書作成、PMI計画の策定など |
助成額と助成率
最高200万円の助成金が出ます。なお、今回から「株価試算」については特例があります。
- 助成限度額:200万円(下限:20万円)
- 助成率 :対象経費の2/3以内
※なお、小規模企業者が「企業価値や事業価値の算定」に取り組む場合は100%助成(10/10)
対象期間とスケジュール
スケジュールは以下のとおりです。なお、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。発行まで約2週間かかりますので注意が必要です。
- エントリー受付期間 :令和7年6月2日(月)〜 7月11日(金)17時
- 申請前相談・現地診断:6月2日〜7月18日
- 申請書提出期間 :6月13日〜7月25日 17時(Jグランツによる電子申請)
- 交付決定予定日 :令和7年10月1日
- 事業実施期間 :交付決定日〜令和8年5月末
注意点とポイント
- 申請前には必ず個別相談または現地診断が必要です。
- 納品物の提出・支払完了が助成の必須条件です。
- 同一年度内に同内容で他の補助金との重複受給はできません。
- 「一式」とだけ書かれた見積書や不明瞭な業務内容では助成対象になりません。
まとめ
「事業承継支援助成金」は、外部専門家を上手に活用したスムーズな承継の実現を後押ししてくれる強力な制度です。コスト面の不安を軽減しながら、納得感のある事業承継・M&Aを進める絶好の機会としてご活用ください。まずはお気軽にご相談ください。