事業承継対策2つの視点

このコラムでは、事業承継対策で求められる2つの視点について解説します。

目次

そもそも事業承継とは?

事業承継とは「現経営者が事業や会社を後継者に引き継ぐこと」です。

引き継ぐ経営資源として、
ヒト・モノ・カネ・情報(知的資産)
があります。

以下の図は事業承継の構成要素を図にしたものです。
この経営資源を現経営者から後継者にどのように引き継ぐか検討することを「事業承継対策」といいます。なお、この図の「」の部分には、「経営権(代表権)」や「経営力」も含まれます。

知的資産とは

「企業における競争力の源泉である、経営理念、代表者のもつ信用、顧客情報、熟練工の持つ匠の技、といった貸借対照表に計上されていない目に見えにくい資産の総称」
のことです。知的財産も含んだ広い概念です。

例えば、「営業マンが関係性を構築している得意先のリスト」は、売上に直結する大事な資産です。しかし、貸借対照表には計上されていません(簿外資産)。元社員が顧客情報を持ち出して競合他社に持ち込む事件がときおり起きますが、貸借対照表が棄損するのではなく、「信用」(これも帳簿外の資産)が棄損することになります。その結果、徐々に売上・利益に影響が出てきて、最終的に貸借対照表の純資産の減少という形で貸借対照表が棄損します。

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事業承継を考えるにあたっての2つの視点

事業承継を考えるにあたっては、以下の2つの側面に配慮する必要があります。

  1. 経営そのものの承継
  2. 資産の承継

経営そのものの承継

「経営そのものの承継」には、業務知識や経験・人脈、リーダーシップ等の「経営ノウハウの承継」、現経営者の経営に対する想いや価値観、信条等の「経営理念の承継」があります。しかし、目に見えにくいため、承継の際は形にする必要があります

資産の承継

いわゆる相続税対策です。後継者が安定した経営を行うには、自社株式、事業用資産を後継者に集中すべきです。資産は目に見えやすいので、事業承継対策というとこちらの対策に目がいきがちです。

まとめ

  • 事業承継は二層構造です。主軸は経営承継、資産承継は補完の位置づけです。
  • 経営承継の要点:理念・意思決定の基準・役割移譲・顧客関係・暗黙知の可視化、および定例会議とKPI運用。
  • 資産承継の役割:株主構成の整備、株価対策、資本政策(自己株式・種類株・持株会社化等)、納税資金設計により、定めた経営デザインを維持・保護すること。
  • 進め方:現状の棚卸 → 理想像の定義 → 役割移譲と会議体運用 → 株主構成の整流化 → 税務・法務の実装。
  • 注意点:税務から先行すること、後継者の実地訓練不足、株式分散の放置はリスクです。
  • 期間目安:3〜5年で計画的に進めるのが適切です。

後継者、株式、財務、M&Aなどを含めて現状を確認し、何から着手すべきかを明確にします。

相談内容がまとまっていなくても構いません。

代表が直接対応|秘密厳守|オンライン可

この記事を書いた人

種山公認会計士・税理士事務所/代表
TMC 株式会社/代表取締役
公認会計士・税理士・中小企業診断士

大学卒業後、大手監査法人で上場企業の法定監査や上場準備支援等に従事。その後、証券会社で中小企業オーナー向けの自社株対策・資本政策、税理士法人で税務実務、経営コンサルティング会社で財務支援を経験し独立。実務経験は通算27年。

現在は、東京・日本橋を拠点に、中小企業のオーナー経営者を対象として、
・自社株評価・株価対策
・贈与・相続・M&Aを含む事業承継対策
・財務改善・資金繰り・銀行対応
・後継者・幹部の育成と会議運営の支援
を行っています。

相続税対策や株価対策にとどまらず、「会社を誰に、どのように引き継ぐか」という意思決定を、経営者・後継者・ご親族が納得して行えるよう、数字と経営の両面から支援することを専門としています。

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