事業承継、考えるのはまだ早い?

このコラムでは、中小オーナー社長の事業承継について、2025年3月28日に公表された中小企業実態基本調査(中小企業庁)速報版にて解説します。

目次

中小企業実態基本調査とは

中小企業実態基本調査は、経済産業省(中小企業庁)が実施している調査で、日本の中小企業の経営実態を明らかにすることを目的とした基幹的な統計調査です。

調査対象

資本金3億円以下または常用雇用者300人以下の法人企業など(中小企業の定義に準拠)

主な内容

  • 売上高、利益、従業員数、設備投資、借入状況などの経営指標
  • 経営者の年齢や後継者の有無など、事業 承継 に関する実態
  • 新事業展開、IT活用、海外展開などの成長戦略

調査の頻度

年1回(通常、前年の決算データをもとに調査)

活用される場面

  • 国・自治体の中小企業政策立案の基礎資料
  • 補助金や支援制度の設計根拠
  • 金融機関やコンサルタントによる企業評価や支援の参考情報

母集団の企業数

法人が167万社、個人が138万者で、合計306万者です。なお、法人企業で従業員が21人以上いる企業の割合は、約20万社(6.6%)です。

出典:2024年中小企業実態基本調査(中小企業庁)

社長(個人事業主)の年齢構成

全体のボリュームゾーンは、50歳代~70歳代です。法人は従業員が6人以上となるとボリュームゾーンが40歳代~60歳代に下がります。これは、事業承継が進んでいるためと思われます。5人以下の法人、個人事業主はボリュームゾーンが50歳代~70歳代と年齢があがります。個人事業主では80歳代も11.2%います。

出典:2024年中小企業実態基本調査(中小企業庁)

社長(個人事業主)の就任経緯

就任経緯については、創業者、親族内承継が多いです。しかし、従業員21人以上の法人企業になると、社内昇格も10%を超えてきます。これは、後継者が親族内にいないことが影響していると思われます。

出典:2024年中小企業実態基本調査(中小企業庁)

社長(個人事業主)の在任期間

在任期間は、従業員5人以下の法人企業や個人事業主の在任期間が長く、従業員21人以上の法人企業では5年未満も多い結果となっています。これは、規模が大きくなれば利害関係者も増え、現経営者で終わりにできないため、事業承継が進んだ結果と想定されます。

出典:2024年中小企業実態基本調査(中小企業庁)

社長(個人事業主)の事業承継の意向

法人企業は「親族内承継を考えている」ことが比較的多いです。ただ対照的に、個人事業主は「現在の事業を継続するつもりはない」が4割を占めています。これは創業者が57.6%と多いことから、比較的小規模、かつ、自分の代のみで終了させるようなことを考えている方が多いと思われます。なお、「今はまだ事業承継に考えていない」が41.6%を占めています。社長の年齢が60歳を超えてきたあたりからは、本格的に考える必要があります。

出典:2024年中小企業実態基本調査(中小企業庁)
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まとめ

さて今回は、中小企業実態基本調査(中小企業庁)をベースとして、事業承継についてみてきました。まだまだ早いと思っていても、10年くらいはあっという間にたってしまいます。いざ70歳代になっても慌てないために、早い段階から準備をしていきましょう。当事務所では定期的に事業承継セミナー(オンライン)を実施しています。事業承継について何から手をつけてよいかわからない方は、ぜひご参加ください。

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この記事を書いた人

種山公認会計士・税理士事務所/代表
TMC 株式会社/代表取締役
公認会計士・税理士・中小企業診断士

大学卒業後、大手監査法人で上場企業の法定監査や上場準備支援等に従事した後、証券会社にて中小企業オーナー向けに自社株対策や資本政策のソリューション提案業務に従事。その後、税理士法人での税務申告、中小企業向けコンサル会社での経営・財務支援を経て独立。
現在は、東京都日本橋を拠点に、中小企業の事業承継対策と財務顧問として、
・自社株評価・株価対策、贈与・相続・M&Aを含む事業承継スキームの設計
・月次の数字を使った経営モニタリング、資金繰り改善、銀行対応のサポート
・後継者・幹部向けの「数字の見方」と会議運営の支援
などを通じて、「会社を次の世代につなぐ」ための実務支援を行っています。

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