インボイス制度、10月1日前後の取引はどうする?

このコラムでは、インボイス制度開始前後の売上・仕入計上について解説します。

目次

インボイス制度の原則

売手は、買手の求めに応じて、インボイスの発行義務があります。この場合の「売手」とは、インボイス登録事業者が該当します。また、「買手」は課税事業者が該当します。

買手が仕入税額控除を受けるには、原則としてインボイスの保存が必要です。なお、仕入税額控除とは、課税事業者が消費税の納税額を計算する際に、自社の売上時の消費税額(売上税額)から仕入時の消費税額を差し引ける仕組みのことをいいます。

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売手の売上計上日と買手の仕入計上日が異なるケースがある

例えば、コンビニで消しゴムを購入した場合を考えてみます。すると、売手(コンビニ)の売上計上日と買手(自社)の仕入計上日は一致します。しかし、機械装置販売のように、売手の売上計上日と買手の仕入計上日がずれるケースもあります。

例)機械装置の販売

  • 売手(インボイス登録事業者):売上計上基準は出荷基準を採用。9月30日に出荷した場合、売上高の計上日は9月30日
  • 買手(課税事業者):仕入計上基準は検収基準を採用。10月2日に工場に到着。検収を終えたのは10月3日の場合、仕入の計上日は10月3日

お互いの計上日が異なる場合のインボイスの交付義務は?

上記事例において、売手にはインボイスの交付義務はありません。なぜなら、インボイス制度開始前の取引だからです。買手としては、売手の売上計上日(出荷日)が10月1日以後の取引から、仕入税額控除を受けるためにインボイスを保存する必要があります。なお、今回の事例では、買手は従前の制度(区分記載請求書等保存方式)により、仕入税額控除を受けることができます。

【参考】インボイスQ&A問38(2023年10月改訂版)

まとめ

実務上の問題点は、売手が免税事業者の場合です。買手としてはどのタイミングで仕入税額控除ができなくなるか、事前に検討が必要です。

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この記事を書いた人

種山公認会計士・税理士事務所/代表
TMC 株式会社/代表取締役
公認会計士・税理士・中小企業診断士

大学卒業後、大手監査法人で上場企業の法定監査や上場準備支援等に従事した後、証券会社にて中小企業オーナー向けに自社株対策や資本政策のソリューション提案業務に従事。その後、税理士法人での税務申告、中小企業向けコンサル会社での経営・財務支援を経て独立。
現在は、東京都日本橋を拠点に、中小企業の事業承継対策と財務顧問として、
・自社株評価・株価対策、贈与・相続・M&Aを含む事業承継スキームの設計
・月次の数字を使った経営モニタリング、資金繰り改善、銀行対応のサポート
・後継者・幹部向けの「数字の見方」と会議運営の支援
などを通じて、「会社を次の世代につなぐ」ための実務支援を行っています。

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