公認会計士・税理士 種山 和男 のブログ

SWOT( スウォット)分析とは?

最終更新日:2022年8月2日

SWOT 分析とは、戦略や計画を立てる際に、自社の現状を分析するためのフレームワークの一つです。今回は、 SWOT 分析をざっくりと解説します。

【この記事を読んで得られること】

  • SWOT分析の読み方は?
  • SWOT分析の4つの構成要素とは?
  • SWOT分析から導き出される戦略パターンとは?

SWOT の読み方は?

読み方は「スウォット」です。 SWOT 分析は、自社の現状を以下の4つの項目で整理します。

  • S trengths:強み
  • W eaknesses:弱み
  • O pportunities:機会
  • T hreats:脅威

自社の内部環境(自社がもつ資産やブランド力、品質など)、自社を取り巻く外部環境(市場や競合、法律など)を、それぞれプラス面、マイナス面で分析します。

種山マネジメントコンサルティング(株)作成(無断転載・転用不可)

「強み」「弱み」の探し方(内部環境分析)

内部環境とは、自社の企業努力でコントロールできる内部的な要因のことです。例えば、自社が持つ資産やブランド力、品質などです。実際にSWOT分析を始めると、「弱み」は次から次へと出てくるのに「強み」が出てこない経営者・幹部の方が多いです。
この理由は「自社で当たり前にできていること」が強みの場合が多いためです。
したがって、「強み」を発見するには、外部からの視点が重要です。なお、たとえ内部であっても、従業員は、経営者とは別の視点で会社を見ていることが多いです。

なぜ、顧客は自社を選んでくれるのか?(選んでくれないのか?)

また、「強み」を見つけるために、競合他社との比較も有効です。ただ、競合他社のホームページなどを見ても、表面上の違いしかわかりません。表面的にマネしたところで、本質的なところが異なれば、うまくいきません。やはり現在の顧客に「なぜ、自社を選んでくれるのか?」確認することが重要だと思います。また「強み」は、見方を変えれば「弱み」にもなり、その逆もある点は要注意です。

【参考】ブログ「自社の事業価値を高めるには?
    中小企業庁「マンガでわかる、SWOT分析

「機会」「脅威」の調べ方(外部環境分析)

外部環境とは、自社の自助だけで変えられない外部要因のことです。外部環境分析のフレームワークとして、PEST分析もあります。PEST分析では、 「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」という4つの外部環境を分析対象とします。

  • 政治・法律(Politics):法律、政府機関の意思決定、規制緩和など
  • 経済(Economy)  :国内総生産、経済成長率、景気動向、可処分所得など
  • 社会(Society)   :文化、国籍、宗教、人種、地域、イデオロギー(思想)など
  • 技術(Technology) :情報通信技術、産業に与える加工技術など

以上のほか、人口動態(出生率、人口規模、少子高齢化、世帯構成など)や自然(天然資源など)も重要です。

SWOT分析から導き出される戦略パターン(クロスSWOT分析)

SWOT分析で「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つが抽出を組み合わせてた戦略パターンは、以下の4つに分類されます。クロスSWOT分析と呼ばれます。

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  • 積極戦略   :「強み」を生かし「機会」をつかむ
  • 差別化戦略  :「強み」を生かして「脅威」からの影響を最小限にとどめる
  • 改善戦略   :「機会」を逸しないように「弱み」を克服する
  • 致命傷回避戦略:撤退して他に委ねる

例えば、「2025年問題※」では、シニアを対象としたビジネスチャンスが予測されます。したがって、その機会(チャンス)をとらえるため、自社の「強み」「弱み」を把握した上で、積極戦略を取るのか、改善戦略を取るのか、検討することになります。

※2025年以降、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、超高齢化社会になります。 団塊の世代の人口は現在約800万人です。この方々が75歳以上になると、現在約1,500万人の後期高齢者人口が、約2,200万人に膨れ上がるとの試算が厚生労働省から出ています。

まとめ

さて、今回はSWOT分析について解説しました。SWOT分析では、自社の「強み」の抽出がキモになります。「強み」は「自社で当たり前にできてしまっていること」が多いです。したがって、従業員や顧客、外部専門家などを交えて実施するほうが、より深く把握できます。他にも「5フォース分析」「バリューチェーン」「3C分析」など他のフレームワークを併用することも重要です。

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