最終更新日:2022年12月29日
M&Aとは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称です。
今回は、代表的なM&Aの手法について簡潔に解説します。
【この記事を読んで得られること】
- M&Aの種類は?
- 合併、会社分割とは?
- 株式交換、株式移転とは?
M&Aの種類
M&Aとは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称ですが、以下の種類があります。今回は、代表的なM&A手法のうち、1.~4.までを解説します。
- 合併(吸収合併、新設合併)
- 分割(吸収分割、新設分割)
- 株式交換
- 株式移転
- 株式譲渡
- 事業譲渡
- 株式交付 など
なお、一般的に中小M&Aというと、5.株式譲渡あるいは6.事業譲渡を意味します。また、7.株式交付は、2019年度税制改正において導入されたもので、2021年3月1日に施行されています。
合併
2つ以上の会社が、契約によって1つの会社になる組織再編行為のことです。
吸収合併と新設合併の2種類があります。吸収合併とは、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させる合併です(会社法第2条Ⅰ27号)。また、新設合併とは、2以上の会社がする合併で、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により新設する会社に承継させます(会社法第2条Ⅰ28号)。ただ、新設合併は、新設会社に許認可等が引き継がれないことが多く、実務上は吸収合併がほとんどです。

出典:中小企業庁「事業承継ハンドブック」
会社分割
会社の一部または全ての事業を切り離し、別会社に移転する組織再編行為のことです。吸収分割と新設分割の2種類があります。吸収分割とは、株式会社(又は合同会社)がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることです(会社法第2条Ⅰ29号)。また、新設分割とは、一又は二以上の株式会社(又は合同会社)がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により新設する会社に承継させることです(会社法第2条Ⅰ30号)。

出典:中小企業庁「事業承継ハンドブック」
株式交換・株式移転
株式交換とは、株式会社がその発行済株式の全部を他の株式会社(又は合同会社)に取得させる組織再編行為のことです(会社法第2条Ⅰ31号)。また、株式移転とは、一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新設する株式会社に取得させる組織再編行為のことです(会社法第2条Ⅰ32号)。

出典:中小企業庁「事業承継ハンドブック」
株式譲渡・事業譲渡
会社法上の組織再編行為には含まれませんが、同様の経済的効果があります。詳細は以前のブログをご参照ください。

出典:中小企業庁「事業承継ハンドブック」
【参考】ブログ「株式譲渡か、それとも事業譲渡か」
まとめ
今回は、M&A(合併・買収)の手法について簡潔に解説しました。会社法上、組織再編行為には、上記の他に「株式交付」もあります。なお、経営者としては、事業承継対策で組織再編を活用する機会もありますので、どのような種類があるのかだけでも知っておく必要があります。
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