
事業を始めると、会社の経理関係でわからないことが色々と出てきます。そこで今回は、会社の経理を税理士に依頼する際の3つのパターンについて解説します。
・経理業務の流れは?
・経理業務の中で、税理士に依頼する範囲とは?
・税理士に依頼する場合の3つのパターンとは?
経理業務の流れ
企業における経理業務の流れは以下のとおりです。

種山公認会計士事務所作成(無断転載・転用不可)
取引の発生から国税・地方税の納税まで、自社で完結することもできます。しかし、簿記の知識や消費税の処理がわからずに、時間を浪費してしまっているケースも少なくありません。
一般的に、会社の規模が大きくなるにつれて、税理士が関与するメリットが増加する傾向があります。
【参考】ブログ「取引発生から決算書の作成まで」
税理士に依頼する業務とは
経理業務(個人事業主を含む)は、大きく以下の図表のA~Cのパターンに分かれます。
業務フローの⑤税務申告書作成、⑥税務申告は、税理士の独占業務です。法人の場合、税理士に依頼しているケースが多いです。なお、①~④までは税理士でなくても構いません。①~④までを記帳代行会社が担当し、税務申告は税理士事務所に依頼するケースもあります。
なお、①~⑥までを記帳代行会社等が行い、税務申告時に税理士から名義を借りて申告することは、「名義貸し」と言って、税理士法違反となります。したがって、こういった提案をしてくる会社にはご注意ください。
【参考】ブログ「顧問税理士に経営相談ができない、、、」

※図では「会計事務所=税理士+会計事務所職員」としています。
種山公認会計士事務所作成(無断転載・転用不可)
A)自社で完結するパターン
法人を設立したばかりの時期や個人事業主の確定申告に該当するパターンです。
法人設立当初は、社長自身で税務申告・納税することをお勧めします。
最初は、ご自身で税金・社会保険の手続をし、仕組みを理解するほうがよいと思います。
その後、事業が軌道に乗り始めてから税理士に依頼することをお勧めしています。経理関連の業務の内容を理解しておけば、その後の経営数字の理解もスムーズです。
なお、上場企業では、企業内税理士がいて、自社ですべて完結させて、難易度の高い論点のみを大手税理士法人に確認する、というパターンもあります。
B)自計化するパターン
①~④までの会計記帳業務を自社(あるいは個人)で実施するパターンです。メリットとして、自社内に経理スキルを持つ人材を抱え込むことにより、タイムリーに経営数字を把握することができます。その結果、経営判断がしやすくなり、利益予想や節税対策がしやすくなります。
当事務所で推奨しているパターンです。
C)税理士に一任するパターン
「①取引の発生」において、請求書等の整理のみ会社で担当するパターンです。②以降は税理士に依頼します。メリットとしては、自社内に経理スキルを持つ人材を確保しなくてもよいため、人件費が抑えられるます。ただし、経営数字がタイムリーに把握できないため、経営判断が遅くなる点がデメリットです。
まとめ
今回は、税理士に経理業務を依頼する際の業務範囲・内容について解説しました。現経営者から後継者に事業承継をする場合や法人を立ち上げた場合など、今後の会社経営にあたって、税理士にどこまで依頼すべきか検討する良いタイミングだと思います。
【注意事項】
当ブログはできるだけ専門用語をかみ砕いてわかりやすさを優先しており、正確性を保証するものではございません。当ブログのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、当事務所は賠償責任を負いません。
したがって、実際に実行する場合は、必ず、顧問税理士等の専門家にご相談ください。
また法制度の改正等によって内容の見直しが必要な場合もございます。あらかじめご了承ください。

顧問税理士の変更、セカンドオピニオンをご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。