今回は、親族内承継と第三者承継(M&A)の進め方を比較しました。
事業承継3つの類型
事業承継は「後継者が誰か」によって3つの類型に分かれます。
- 親族内承継・・・親族
- 従業員承継・・・親族以外の会社の役員・従業員
- 第三者承継・・・外部の第三者(M&A、創業希望者など)
【参考】ブログ「事業承継の3つの類型」
この3類型においては、事業承継の進め方が大きく異なります。
今回は「親族内承継」と「第三者承継(M&A)」の進め方を比較します。
親族内承継と第三者承継(M&A)の進め方の違い
中小M&Aガイドライン(第3版)の「中小M&Aフロー図」の流れにそって比較します。
なお、表のコメントはあくまでも個人的見解です。ご了承ください。
【参考】ブログ「中小企業がM&A会社に相談したら、、、」
経済産業省「「中小M&Aガイドライン」を改訂しました」
第三者承継の進め方はシビア
第三者承継の場合、当初まったく信頼関係のない者から譲渡企業の株式(事業)を買い取ります。したがって、譲受側企業⇒譲渡側企業を見る目がシビアです。また経営権の移動がはっきりとわかります。
一方、親族内承継の場合、親子であり信頼関係がありますが、円滑に進まないのは、これが悪い方に出てしまっています。現経営者がいつまで社長を続けるのか、自社株式はいつ頃に後継者に移動するつもりなのか、不明瞭なまま時間がすぎていきます。
これは引き継がれる側が親、引き継ぐ側が子であるため、親子関係をそのまま引きずっていることも一つの原因です。
したがって、これを解消するには、事業承継計画を策定し、現経営者、後継者ともに、いつまでに何をするのか、決めることが重要です。
【参考】ブログ「事業承継計画策定のポイント」
まとめ
親族内承継には、第三者承継にはない「親子の感情」が入ります。事業承継を円滑に進めるには、第三者承継で仲介者(FA)を入れるのと同様に、親族内承継であっても、顧問税理士やコンサル等の第三者を間に挟んで事業承継計画を策定し、いつまでに何をするのか、決めることを検討するのもよい思います。